外壁のひび割れ(クラック)が雨漏りに繋がるのはなぜ?
外壁のひび割れ(クラック)が雨漏りに繋がるのはなぜ?
外壁のひび割れ(クラック)が深刻になると、その隙間から雨水が染み込んで雨漏りの原因になってしまうことがあります。雨漏りにつながるひび割れはどのようなものか? 外壁からの雨漏りがもたらす建物への深刻な被害とは何か? 外壁のひび割れの補修方法等について解説します。
モルタル外壁はひび割れ(クラック)が生じやすい?
一戸建ての外壁にはひび割れが生じやすいものもあります。
代表的なのが、モルタル外壁です。
モルタル外壁は、ラス網などの下地に20mmから30mmのモルタルを左官工事によって塗り付けることで作っている外壁です。
その性質上、モルタル外壁には隙間がありません。
しかし、建物は完成後も様々な誘因により揺れたりゆがんだりすることがあります。地震だけでなく、道路の振動などでも揺れますし、ドアや窓の開け閉めでも衝撃を受けているのです。
モルタル外壁は隙間がない構造のため、その衝撃の影響を受けやすく、ひび割れが発生してしまうことがあります。
そのほか、モルタル外壁の乾燥収縮や経年劣化によっても自然にひび割れが進行してしまうこともあります。
モルタル外壁以外でひび割れが生じる外壁
モルタル外壁以外の外壁もひび割れと無縁ではありません。
現在の一戸建ての外壁の多くは窯業系サイディングです。
窯業系サイディングの主な原料はセメントです。工場で成形した物を現場で張り付けるだけですから、モルタル外壁のように乾燥する過程で乾燥収縮が生じることもありません。
また、窯業系サイディングは適度に隙間を設けて張り付けているので、地震の揺れなどの振動を逃がしやすいようになっています。
そのため、モルタル外壁に比べるとひび割れが生じにくいです。
ただ、窯業系サイディングも経年劣化によって脆くなるとひび割れが生じやすくなります。
また、窯業系サイディング自体は問題なくても、隙間のシーリング(コーキング)にひび割れが生じていることもあります。
その他、ALC外壁やタイル外壁でもひび割れが生じることがあります。
外壁のひび割れ(クラック)は雨漏りにつながる?
外壁のひび割れ(クラック)は大きさや深さによっては雨漏りにつながることがあります。
ひび割れは専門用語では、「ヘアクラック」と「構造クラック」の2種類に分類できます。
・ヘアクラックとは?
ヘアクラックとは、幅0.3mm未満、深さ4mm未満の比較的浅いひび割れのことです。
髪の毛の太さほどのひび割れであることから、このような呼ばれ方がなされています。
ヘアクラックは、外壁から少し離れれば、ひび割れに気づかない程度のものです。こうしたひび割れは、基本的に雨漏りにつながる心配はありません。
それでも気になる場合は、塗装工事を行うことにより、ひび割れを隠すことができます。
・構造クラックとは?
構造クラックとは幅0.3mm以上、深さ4mm以上の比較的深く目立つひび割れです。
建物の構造に重要な被害を及ぼしかねないことから、構造クラックと呼ばれています。
構造クラックは、外壁をパッと見ただけでもそこにひび割れがあることが分かるほどの目立つひび割れです。
こうしたひび割れには雨水が染み込みやすく、建物内部に重大な被害を及ぼす恐れがあります。
その代表例が、雨漏りです。
構造クラックを発見した場合は、速やかにひび割れをシーリング(コーキング)で埋めるなどの補修工事を行うことが大切です。
外壁のひび割れ(クラック)が雨漏りにつながる理由
外壁にひび割れが生じると、雨漏りにつながるのはどうしてでしょうか?
雨漏りと言うと、屋根から建物内部に雨が染み込むというイメージで外壁から雨が染み込むイメージがない方も多いと思います。
しかし、雨は、屋根だけでなく外壁にも当たります。
最近の家は屋根のひさしが大きく出ている家は少ないため、横からの雨だと外壁も濡れてしまいます。
そんな時に外壁にひび割れがあるとその隙間から雨水が染み込んでしまい、雨漏りにつながってしまいます。
外壁のひび割れが原因の雨漏りは、雨が降ると必ず起きるとは限らず、台風や強風を伴う雨の時だけ雨漏りが生じるケースも多いです。
外壁のひび割れ(クラック)から雨漏りが生じるまでは時間がかかる?
外壁のひび割れが生じても直ちに室内側で気づくほどの雨漏り被害が生じるわけではありません。
室内側で雨漏り被害に気付くのはかなり時間が経過してからというケースが多いです。
というのも、外壁の内部には、防水シート、構造用合板、断熱材、室内側の石膏ボード、壁紙などがあるため、外壁材から雨水が浸入しても室内側には容易に浸入しないようになっているからです。
そのため、室内側で雨漏りに気づいたときは、外壁内部がたいへん湿った状態になっていて、カビが大量に発生していたり、内部の腐食が進行している場合も少なくありません。
外壁のひび割れ(クラック)からの雨漏りを疑うべきケースとは?
外壁のひび割れから室内側での雨漏りに気づくまでは時間がかかることが多い上、気づいたときは深刻な状態になっていることが少なくありません。そのため、できるだけ早い段階で異常に気付くことが大切です。
外壁のひび割れからの雨漏りを疑うべきケースを紹介します。
・外壁のひび割れが確認できる
外壁を見渡して、パッと見て、あそこにひび割れがあると気づくほどのものだと、内部に雨水が浸透するほどの構造クラックである可能性が高いです。
雨が当たった場合、そのひび割れから雨水が浸透している可能性が高いと判断して早期に補修工事を行うべきです。
・外壁以外にもひび割れがある
ひび割れは外壁本体以外の部分でも生じます。特に注意したいのがシーリング(コーキング)の部分です。
サッシと外壁のつなぎ目などには、シーリングというゴム状の物質が充填されていますが、これも経年劣化によってひび割れが生じたり、剥がれ、欠落が生じることがあります。
シーリング(コーキング)のひび割れも外壁のひび割れと同様に雨漏りの大きな原因になるため、発見したら早期の補修工事が必要です。
・晴天でも室内で湿気を感じる
晴天なのに室内では湿気を感じる場合は、どこかで雨水が染み込んでいる可能性があります。
屋根だけでなく外壁からの雨漏りの可能性があるため、点検を行うべきです。
・室内でカビ臭さを感じるようになった。
室内でカビ臭く感じる場合は、外壁の内部や天井の裏側などでカビが発生している可能性があります。
天井からの雨漏りの場合はすぐに室内側に雨漏りの症状が表れやすいですが、外壁からの雨漏りだと、雨漏りに気づかないうちに、外壁内部でカビが発生してしまっていることもあります。
・シロアリや羽アリを見かけるようになった
外壁からの雨漏りが深刻化すると土台や柱に雨水が浸透してしまい、常時湿った状態になってしまいます。
こうなると、シロアリを寄せ付けやすくなってしまい、土台や柱といった建物を支える重要部分がどんどん侵食されてしまいます。
シロアリの侵食に気づかないまま、長い時間が経過してしまうと大変なことになってしまいます。
外壁のひび割れ(クラック)の補修方法
ひび割れ(クラック)の補修方法は、シーリング(コーキング)を充填する方法が一般的です。様々な施工方法があるので紹介します。
・シール充填
シール充填とは、ひび割れた部分にシーリングを直接充填して塞ぐ方法です。
最も簡素な方法ですが、ひび割れ部分をカバーする程度のもので、ひび割れの奥深くまでシーリング材を浸透させることは難しいです。
ヘアクラックのように比較的浅く、直ちに雨漏りにつながる心配のないひび割れを補修する際に行われます。
・カット工法
カット工法とは、ひび割れた部分を削って溝を掘り、そこにシーリングを充填する方法です。
シール充填だと上からひび割れを塞ぐだけで、ひび割れの奥深くまでシーリング材を浸透させることができません。
構造クラックのようにひび割れが深い場合は、表面を覆う程度のシール充填では意味がありません。
そこで、シーリング材を充填しやすいようにひび割れの部分をサンダーなどでU字、V字の形に削るわけです。
この方法なら、シーリング材を奥深くまで染み込ませることができ、ひび割れた部分をしっかり補修することができます。
外壁のひび割れ(クラック)の補修とセットでやるべきこと
外壁のひび割れの補修を行う際は、外壁塗装とシーリングの打ち替え工事も同時に行うのがおすすめです。
・外壁塗装
外壁のひび割れの補修を行うと、補修部分が目立ってしまいます。
そこで、外壁塗装もセットで行うと、ひび割れ補修した部分が目立たなくなります。
また、ひび割れが広範囲にわたる場合は、足場を架設して作業しなければなりません。
それなら、ついでに外壁塗装も行った方がコストパフォーマンスが良いです。
・シーリングの打ち替え工事
外壁だけでなく、外壁とサッシの隙間などのシーリングも劣化している可能性があります。
外壁のひび割れの補修のついでに、シーリングの打ち替え工事も行っておくと雨漏りの心配がより少なくなります。
まとめ
外壁のひび割れは雨漏りなど建物に深刻な被害を及ぼしてしまうことがあるので、ひび割れを見つけたら早期に対処しましょう。
住まいの総合病院は、兵庫県尼崎市で雨漏り修理、水漏れ修理、外壁塗装、屋根塗装工事などの住宅にまつわる総合的な補修やリフォームの工事を手掛ける職人直営のお店です。
中間マージンが掛からないので、本当に必要な費用だけで工事を行うことができます。
外壁のひび割れ補修の実績も豊富なので、どのようなご依頼にもお答えすることができます。
外壁のひび割れでお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。